増山城にかかわる伝承

増山城にかかわる面白い伝承が『増山城跡総合調査報告書』に載っていますので紹介します。

落城に関する伝承

 ①白米で馬を洗い、敵をあざむく話
 上杉謙信が増山城を攻めた時、上杉勢は城を取り囲み、水の供給を絶ったが、なかなか城は落ちなかった。それどころか、城中では水を滝のように流して馬を洗っているのが見えた。ところが、烏(からす)や鳶(とび)らが洗い場の周辺に群集しているのを見て、謙信の老兵は、馬を洗っているものは水ではなく、米であることを見破り、いよいよ水路を絶ち、ついに落城せしめたという。(『越中旧事記』『越登賀三州志』)

 ②密路を教えた老尼の話
 上杉謙信が増山城を攻めた時、上杉勢は城を取り囲み、兵糧の供給を絶ったが、なかなか城は落ちなかった。その時、妙浄という老尼が、城の東の林の中に兵糧を運び込む密路があることを教え、そのために増山城は落城したと伝える。(『越中旧事記』『越登賀三州志』)
 現在、下山田・島新・東保新三集落の境界にまたがる通称「ばば谷」にこの老婆が住んでいたと伝えている。(『下山田村誌』)曲輪の会 事務局