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(93) 清浄の 気を裂く今朝の モズの声
公開日時:2011年03月27日 11時05分 このページを印刷する
すっかり夜が明けて山麓にも陽がさしてきたのに、指先の感覚が失われて痛いくらいだ。国道156号の路面も放射冷却のために凍てついて、昨夜の雪が結晶のままにキラキラ光っている。ときおりキーッと甲高いモズの声が、張りつめた清浄の気を刺し通す。国道の下には小牧の集落が、旧道に沿ってひっそりと静まりかえっているが、昭和5年の小牧ダム完成のころまでは、膨大な資材が積まれた基地であった。対岸(庄川右岸)の崖に張りつくような樹木も民家もすべてが己れの色を失って、きびしい無彩色である。それがまたこの景観を一段と清浄なものにしている。
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