チューリップ切り花の現状と課題及び今後の展望について　（JA兵庫六甲　淡河支店）

生産農家は現在4人、昭和28年からの歴史を持つチューリップ切り花栽培で、ピーク時には70万本近くの出荷本数があったが、令和5年度では23万7千本で生産者の数が半減している。

最近の切り花単価の高値に期待しているが、円安などによる球根単価の高騰の影響で利益が安定していない。　

路地で栽培されるユリの切り花の方が利益率が良く、収入はそちらの方の割合が高いとのこと。

支店での意見交換の後、12月出荷に向けてチューリップ球根の植え込み作業が行われたハウス栽培の現場を視察した。

タマネギ栽培の現状と課題及び今後の展望について（JAあわじ島）

ＪＡあわじ島の特産品の代表としては、「タマネギ」「レタス」「はくさい」「キャベツ」等があり、その販売高はタマネギ543,900万円（43.8％）、レタス371,600万円（29.9％）、はくさい109,200万円（8.8％）、キャベツ73,700万円（5.9％）となっている。中でもタマネギは明治44年頃から本格的に栽培され、約110年の歴史を重ねられている。

現在、タマネギの作付面積は約1,200haあり、それを1,555人の生産者により栽培されているそうだが、あわじ島の耕地は100％水田であることから、特に連作障害に弱いタマネギは他の野菜や水稲栽培などを輪作することで病気等に対応されていた。

また、あわじ島は降雪が無く、冬季間も比較的温暖で水はけは良いことから、二毛作や三毛作が主流となり、同じ圃場で年間を通じてタマネギ、水稲、野菜などを順次栽培しながら生産活動をされていた。

ウォーカブル推進計画について（姫路市）

姫路市は、姫路駅から姫路城までの中心エリアを「歩きたくなるまち」にするため、道路や広場を歩行者中心に使えるように整備している。車優先から、人がくつろぎ、滞在し、回遊できる都市空間へ転換することを目的としている。

道路・公共空間の再整備：大手前通りなどで歩行者空間を拡大。
道路用ガイドライン策定：カフェやイベントが道路で実施しやすい制度づくり。
リノベーションまちづくり：中心市街地に新しい店舗や小規模事業者を呼び込み、賑わいを創出。
官民連携：市民・事業者と一緒に公共空間の使い方を考える体制を整備。

計画の成果として、歩いて楽しめるエリアが増え、イベントや店舗の参入が進みつつある。
また、公共空間活用の制度が整い、道路でのにぎわいづくりにつながったとのこと。
課題として、交通との調整、公共空間の維持管理、継続的な運営体制づくりが必要で、民間事業者や市民が主体的に関われる仕組みの強化が求められるとのこと。

シティープロモーションについて（福知山市）

2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』で、明智光秀のゆかりの地として注目された福知山市は、シティプロモーションアワード2021及び2023でそれぞれ金賞を受賞されている。このブランドイメージを活用した市の付加価値向上の取組みを視察するために伺った。

以前は、市内のイメージとして「なにもない」ということや、市外からも「事故のイメージ」「知らない」ということで、自己肯定感の低さやネガディブなイメージを持たられてしまっていることを払拭したいということが課題であった。しかし、これら5年間の取組みを通して「光秀マインド（挑戦心）」を普及させ、「シビックプライド」を取り戻している。自治体の特徴をよく理解し、再構築する姿勢が大切である。

特に、過去の「瓦一枚運動」という歴史に紐づいた「ハガキ一枚運動」というふるさと納税型クラウドファンディングにおいて、1,148万円の資金を集められ、3,470人のファン（市外ファンクラブ会員）がいらっしゃるということである。クラウドファンディングで集まった資金を、福知山城の現地PR事業や仕組み化に充てるなど、資産としての運用を心がける考え方が大切だと感じた。

合計特殊出生率の高さの理由をうかがったところ、背景として「妻の実家のそばに住む」という傾向があるようで、女性のUターン率を高めることと定住促進や人口減を緩和することは相関関係があるものと考えられる。