蔵書検索サイト「となみっけ!」の誕生秘話

蔵書検索サイト「となみっけ!」は、平成30年3月9日から運用を開始しました。
そもそも「となみっけ!」は、当館の図書館システムが更新時期となり、
下記の3つの課題と向き合ったなかから生まれました。

■館内OPACを廃止(セキュリティ強化と経費削減を図る)

 行政システムのセキュリティ強化の確立のため、館内OPAC(オンライン蔵書目録)を市ネットワークから分離させる。
 館内OPACとウェブOPACを統一化し、維持費等の経費削減を図り、便利で使いやすいシステムとする。

■レシートプリンターを廃止(経費削減を図る)

 レシート用紙は高価で経費が嵩み、印字幅が狭いことから、文字が小さくなり読みづらい。
 一般的なレーザープリンターは、消耗品が安価で、細やかな印字設定や画像データ等の印刷が可能となる。

■蔵書検索サイト用の新トップ画面(利便性の向上を図る)

 当館ではインターネットを活用し、市ホームページやSNS(ブログやTwitter)で読書の魅力や催し物等に関する情報発信を行っています。これらの情報を連携させ、利便性の向上を図るため、その入口を蔵書検索サイトのトップ画面に集約する。

◇ベンダーとの協議
 館内OPACとウェブOPACの統一やレシートプリンターの廃止は、他に例がなく、ベンダー(三谷産業株式会社)と何度も協議を繰り返していました。
 ある日のこと、API(ソフトウエアの機能を共有)を利用し、日本最大の図書館検索サイト「カーリル」と連携することで、システム改修が容易になるとの提案が出されました。それは、システム改修費を大幅に削減できるほか、蔵書検索サイトのトップ画面が自由に設定でき、カーリルの図書館横断検索システムと連携できるという特典付きの提案でした。経費削減と利便性の向上、ひいては図書館員の事務効率の向上につながることからAPIの利用に踏み切りました。

◇蔵書検索サイトのネーミングとデザイン画
 システム構築を進めていく中で、蔵書検索サイトのネーミングとデザイン画を図書館員で受け持つことになりました。一例ですが、鯖江市では「さばサーチ」と題し、鯖江市西山動物園のレッサーパンダをキャラクターにしたデザインになっています。(とてもオシャレなので、一度ご確認ください。https://sabae.calil.jp/
 ネーミングとデザイン画の締切日が迫り、どうしてもサーチの響きが頭から離れない中、どこからか聞こえてきたのが『となみ+見っけ!=となみっけ!』。
 キャラクターは、当館のねこ好きの司書がフェルトペンで走り書きした「チューリップ型の虫メガネ」を持った「三毛猫」。

名前は「みっけねこ」
職業は司書探偵だとか!?
これをもとに、デザイナーがデジタル加工する予定でしたが、原画のままのデザイン画となりました。

◇蔵書検索サイト「となみっけ!」の誕生
https://tonami.calil.jp/
図書館システムの更新とともに、蔵書検索サイト「となみっけ!」とウエブOPACに機能統一したシステムがスタートしました。トップ画面上段には「みっけねこ」が顔を出し、SNS等へのリンクも貼りました。下段には、当館所蔵の本のうち、全国で検索件数が多い本12冊の書影を表示させ、読書意欲をそそるものとしました。
書名や著者名を入力し検索すると、当館と県立図書館の検索結果があわせて表示され、ワンクリックで県内や北陸・東海5県の公共図書館の蔵書をすべて横断検索するものとしました(スマホ対応)。

◇ニーズに対応
 レシートプリンターをレーザープリンターに交換し、「貸出期限票」や「予約連絡票」をA5サイズで印刷させることで、文字が読みやすくなり、図書館利用者からも好評を得るとともに、事務処理が的確で迅速となりました。また、利用者に渡す「貸出期限票」や「予約カード」の裏面に、イベント情報や催し物などの情報をあらかじめ印刷しておくことで、着実な広告宣伝効果をもたらすものとなりました。
 目的に応じたフォームを印刷できることから、書名や書影等のデータを出力したものに読書感想文などが記入できる「読書メモ」を追加し、読書手帳になる機能として新たなニーズにも対応しました。

◇変化する「みっけねこ」
 「みっけねこ」は、そのバリエーションを増やし、チラシや掲示物に姿を見せるほか、図書館利用カード缶バッチにも登場し、砺波市立図書館のマスコットキャラクターとして、日々活躍しています。

富山県図書館協会報 第198号に、砺波市立図書館 蔵書検索サイト「となみっけ!」の誕生秘話が掲載されました。