滝山城(研修報告4)

 5月23日(土)土の城造りでは、教科書的な山城と評価の高い滝山城跡を探訪してきました。まず大手道から進みますと、左右は一段高い曲輪の中を進むようになっており、横矢がかかるように造られ、それを過ぎると大きな空堀と切岸があり、それらの上には土塁に囲まれた曲輪があり、通路も鍵形に曲がり横からも後ろからも、横矢、鉄砲などで攻撃できるように造られ、攻める側は左右、後から常時狙われているような恐怖を感じました。曲輪の位置も巧妙に縄張りされ、攻める側が迷い込むように造られ退去する時に桝形虎口が非常に曲り狭く造られているため、守る側は退去で大混乱する敵をその場所で大打撃を与えるように縄張りされ、よく考えて造ってあると感心させられるばかりでした。

 この城主は北条氏照ですが、名将の誉れ高い北条氏三代目の当主北条氏康の次男ですが、戦上手な勇将として知られ、戦国時代きってのかの有名な武田信玄の攻撃からも、城を守りきった「知勇兼備」な武将と評価されています。私たちも本曲輪まで見学し、各曲輪、土塁、桝形虎口、空堀、切岸や、いざと言う時に引込みできる橋など、守る側として考えられる万策を見せてくれる滝山城に非常に感動しました。

 そして、小田原城観光案内所館長先生がおっしゃった「土造りの城は石垣の城に優るとも劣らない」ではなく、むしろそれ以上だと言われた言葉がピタリだと滝山城跡を見て感じました。

 今回の関東の城攻めはどのお城も感心させられる城ばかりで、石垣の城で天守閣があるのがお城だとばかり言えないのではと実感できる城攻めでした。これを支援くださった砺波市、企画・お世話くださった皆様には感謝いたします。そして参加されたガイドの皆さん、たいへんお疲れ様でした。ありがとうございました。

滝山城