[増山城戦国祭り 城攻めウオーククイズラリー説明(4)

 クイズラリー問題と答え(4)

問6.二の丸にある穴のあいた石の名は
答え 神水鉢(しんすいばち)

説明⓵

 昭和43年に、地元増山の土田豊作によって記された『古城増山城史』には、増山城主神保氏がこの水鉢うつる月影で時刻を知ったとされ、干天時でも水は決してかれることがないといわれていると書いてある。案内看板にある「神水鉢」はこの記述に拠っているようである。昭和44年にはNHKの大河ドラマ「天と地」でこの地が全国的にクロ-ズアップされた頃であり、この名称はこのころ創作されたものらしい。
『古城増山城史』以前のものには、「旗台石」「手水鉢」などの名称はあるが、「神水鉢」なる名称は見られない。
 天保11年の「杉野家絵図」にも二ノ丸の北東あたりに「旗台石」と記してある。
 また、江戸時代の地誌類で最も早い時期に書かれたと思われる『越中旧事記』には、「旗台石」として大きさが二尺ほどの、中がくぼんでいる石がある。中のくぼみは水一升はいるほどであり、しかもその水は、石の中から湧き出て四季を通して絶えることがないと記す。同名の書であるが「越中資料叢書」本には「手水鉢のごときなる石」で「水一升ばかり常にたたへり」とある。『越の下草』や『越登賀三州志』『越中志徴』などにも、地元の人は「旗台石」と言い伝えているとしている。 『増山城跡総合調査報告書』より

神水鉢案内看板

神水鉢と石標

水をたたえた神水鉢

 以下次回

本保澄雄