☆1月のラジオで紹介した本です☆

毎月第3木曜日は、
FMとなみ【76.9㎒】さん
砺波図書館からおススメ本の紹介をしています。
図書館のコーナーは12:20ごろ~(再放送17:30~)です♪

2月3月のイベント
★2/11(金・祝)「としょ恋~図書館でときめき恋活読書会~」
閉館後の図書館で、特別な読書会を開催します♪
対象:22~35歳の独身の方(10名)
★2/13(日)「コロナに負けるな!室内あそび楽しもう!」
レクリエーションインストラクターの上田健二さんに、
室内で工夫して遊ぶ方法を教えていただきます♪
対象:小学校1~3年生程度の児童(先着25名)
★3/6(日)図書館友の会主催講演会「学校を取り巻く環境の変化と子供たちの今」
講師:林誠一氏
定員:先着50名

さて、今月紹介した本は・・・

「ジャノメ」
(戸森しるこ∥著)

この本の語り手は、山之上動物園の雌のインドクジャクです。
放し飼いの身にもかかわらず、鳥小屋の外に出ようとしないため、
「ひきこもりのピーコ」と呼ばれています。
ピーコという名前を好んではいませんし、
「ひきこもり」となったのにも理由があります。

10年ほど前の夏、ピーコは森で小学2年生のシンジと出会いました。
おじいさんの家に遊びにきていたシンジは、
いとこたちにいじめられるので姿を隠していたのです。
会話ができるクジャクとの出会いに喜び、
ピーコに「ジャノメ」という名前を名付けてくれたシンジは、
次の夏も会おうと約束します。

3年目の夏、シンジに「うちに来ない」と言われて
ピーコは心をときめかせます。
1年に一度会えるシンジを楽しみに待っていたピーコですが、
やがてシンジが自分と会話できなくなることも、
ちゃんとわかっていたのでした…。

この本は児童書で、いわゆる一種の異種間恋愛ものとして読めるのですが、
大人が読むとそれだけでは語り切れない深さがあります。

作品の中で、ホッキョクグマのレイナと飼育員の泉田さんもまた、
「合わなくなった一人と一匹」として複層的に描かれていて、
ピーコとシンジのその後を暗示させて物語の業を感じます。

戸森さんの作品は、「え?」と思う関係性が描かれていて
読み終わってからも反芻したくなりますし、
さらっと描いていても、かみしめるとなかなか毒のある深みがあったり、
大人が読むとより楽しめると思います。
牧野千穂さんの挿絵もとても素敵な1冊です。