佐伯 哲也氏の縄張り図講習会と白鳥城探訪

4/14(土) 佐伯 哲也氏の縄張り図講習会と白鳥城探訪が曲輪の会の行事として行なわれた。
佐伯さんは中世古城の縄張り図作成のエキスパート。遺構を元に縄張りから読み取れる城の構造の醍醐味を知悉されている。
その佐伯さんに安田城で縄張り図の描き方を教わった。
安田城は豊臣秀吉が佐々成政の富山城攻めの為の向城として、1ヶ月間で築城した平城。
主郭は方形で縄張り図作成の初歩に適しているため、今回この城が選ばれた。
小雨の中であったが、曲輪の会の会員にとって縄張り図の作成は初めての経験であり、興味を注がれるところ。皆さん熱心に聞いておられた。
安田城の実習の後は佐伯氏と共に、近くにある白鳥城を訪れた。
この白鳥城も秀吉が富山城攻めの為に布陣した山城。
佐伯氏によれば白鳥城は全国でもトップクラスの精緻に完成された山城との事。
長年、富山市に在住する私ですが、こんな城があったとは。
白鳥城の歴史は古く、源平合戦で今井兼平が在陣した伝承も残っている。
佐伯氏によれば今の縄張りは秀吉の富山城攻めの後、前田の武将、岡島一吉が新川領を与えられた佐々成政がいつ攻めてくるか判らない、緊迫した中で築いた城ではないかと解説しておられた。
興味をもたれるのは白鳥城の麓に北陸道が通っていた事。
中世の時代の主要道として飛騨との物流の拠点であったとも想定される。
佐伯氏のガイドで2時間、白鳥城を歩いたが、実に楽しかった。一方で遺構を無視して造った人工的な階段が痛々しく、その個所での表土の崩壊が、無残な思いにも至った。

曲輪の会 長江